運転中に怒る人は脳で何が起きているのか?

急に寒くなっていよいよ本格的な秋到来といったところ。紅葉やグルメ、各種イベントなど、行楽にもってこいのシーズンです。

ところで、あなたの周りに車のハンドルを握った途端まるで別人のようにすぐ怒る人っていませんか?せっかくの楽しい気分も台無しですよね・・・

運転中に怒る人は脳で何が起きているのか

運転

車の運転は脳を激しく疲労させる

まず第一に、車を運転するということは、それだけで脳のエネルギーを激しく消耗させてしまいます。

普段の生活と違って運転中には、注意力や集中力、記憶力や分析力、瞬時の判断力などが求められます。とっさにハンドルやブレーキを操る必要もあります。車の運転には命の危険が付きまといます。

脳はノルアドレナリン回路を活性化させどんどん脳を覚醒させることで興奮状態を保ちます。

さらに車の運転は快感を伴います。目的地に早くたどり着くとか、スピードを出すこと、目的地に着いてからの楽しみ。そういったものが脳のドーパミン回路をどんどん刺激し、さらに脳は興奮していきます。

つまり、車の運転をすると脳は興奮状態になり交感神経優位に大きく傾くのです。

その状態になった脳は、脳神経細胞の中にあるミトコンドリアというところで糖質を材料にして細胞が動くエネルギーであるATPという物質をどんどん作らせては大量に消費していきます。

ノルアドレナリンやドーパミンといった興奮系神経伝達物質もどんどん消費されていきます。

セロトニンが調整役としてノルアドレナリンやドーパミンの量をコントロールします。

こういった物質たちが脳内で少なくなってくると疲労という形になって現れてくるのです。

怒りやすい人は日常的にエネルギーが切れている

運転が脳を消耗させるからといって、全員が怒りやすくなるわけではありませんよね。

運転中に怒りやすい人は、日常のストレスや、栄養不足、生活習慣、考え方、老化などで運転する前から脳がすでに疲れている(エネルギーが欠乏している)のです。

人間の体の細胞が動くためのエネルギー源であるATPの材料となる糖質、そして脳神経細胞が正常に働くために欠かせない神経伝達物質。これらが欠乏気味な人が運転すると、ただでさえ不足がちなエネルギーが一気に消費され底をついてしまうのです。

そうなると、脳はそれらの物質を完全に使い切ってしまわないように、ちょっとした刺激に対しても反応をとってしまうようになります。

怒りやすさの真の原因

また怒りやすい人は前頭前野の活性が低いことが指摘されています。

前頭前野は脳の最前部に位置し、物事全体を把握したり欲求や感情といった本能を抑える働きをしています。

人間が人間足り得るのはこの前頭前野の働きによるものです。そうでなければ人は本能のみで生きる他の動物と変わるところはないのです。

動物的な本能を司る大脳辺縁系が生まれて3年くらいで発達し終わるのに対し、前頭前野は脳の中で最も最後に成長し、十代の終わりまで発達し続けます。子供の頃に我慢や抑制を学ばずに大人になると、前頭前野の脳神経細胞のシナプスの繋がりが未発達のままとなり、本能が抑えられない「キレやすい人」になってしまいます。

また、加齢によって脳細胞のシナプスが少なくなり、脳の機能が低下してきてもキレやすくなります。

「低血糖」と「神経伝達物質の減少」そして「前頭前野の不活性」。

それが「怒りやすさ」の真の原因と言えるのです。